退職の日を迎えて
2025年11月17日をもって、大分大学医学部麻酔科学講座ならびに大学病院での勤務を退職しました。
2002年5月に所属してから23年。長い時間を過ごした場所に、ひとつの節目を置いた日でした。
前日の11月16日は内覧会。100名を超える方々にお越しいただき、慌ただしくもありがたい1日でした。
その翌日に退職し、そして明日11月18日には新規開業の届出。
来週の11月25日にはいよいよ開院となります。
こうして並べると目まぐるしいですが、自然とその流れの中に身を置いています。

いつもと変わらない1日だった理由
特別な感情が湧くかと思いきや、11月17日の退職当日は驚くほど普段通りでした。
おそらく、すでに開業に向けて気持ちが切り替わっていたからだと思います。
9月末からは有給休暇も活用しながら、週1回の月曜外来(+午後の麻酔業務)のみを担当していました。
この「少し距離を置いた2か月」が、気持ちの整理や準備の期間としてちょうどよい働きになったように思います。

ペインクリニック専従になったタイミング
大学では手術麻酔、集中治療、緩和ケア、教育など幅広く関わってきましたが、ペインクリニックを本格的に専従で担当し始めたのは2020年4月、コロナ禍が始まった時期でした。
それまではペインクリニック以外の業務が中心でしたが、専従になってみると自分が思っていた以上にフィットするものがあり、
治療の工夫を重ねる日々が自分の軸になっていく感覚がありました。
結果として、その延長線上に今回の開業という選択が自然に現れたように思います。

研究室の片付けと開業準備が同時に進む日々
いまは、大学病院の研究室の片付けと、新しいクリニックの準備がシンクロするように同時進行しています。
書類の整理、備品の引き上げ、荷物の運搬、開業に向けた事務作業──
いずれも単純作業ではありますが、量が多く、思った以上に体力と時間を使います。
それでも、一つひとつ片づけながら23年間の積み重ねを実感し、
そのまま新しい場所へと歩みを進めているような感覚があります。
静かな決意とともに
今日の退職は、大きな感傷というよりは、静かに区切りを受け止める1日でした。
この23年間で得た経験や価値観は、これからの診療にも確実に生きていきます。
そして、来週には新しいクリニックが始まります。
引き続き、一歩ずつ丁寧に進めていきたいと思います。
