術後(しかも術直後)の麻酔科泣かせ、患者さん泣かせの、鎮痛方法が非常に難しい手術があります。
その代表的な一つが、足関節の手術です。
四肢末梢の骨関連の手術は、術後疼痛がひときわ強いです。
下肢手術というならば、経験上、硬膜外麻酔が術後鎮痛法として優れているのですが、特に高齢患者さんでは抗凝固薬の内服歴があったり、外傷患者さんでは体位が取りづらかったり・・・。
麻酔科医泣かせならまだしも、患者さん泣かせにするわけにはいきません。
坐骨神経ブロックという手法があります。
最近トピックとしてよくあがってくる、超音波ガイド下末梢神経ブロックのひとつとして行われます。
坐骨神経ブロックは下肢の末梢領域、特に足関節の手術には極めて選択的でクオリティーの高い鎮痛法であると言えます。
ブロック法としては、これまでにもメルクマール法で施行されていた、ありふれた手技なのかもしれませんが、超音波装置ガイド下で施行することで、その手法はより確実なものとなりました。
そして全身麻酔と併用して、安全かつ確実に、術後疼痛を見据えて周術期を経過します。
非常にクオリティは高そうです。
手術麻酔における末梢神経ブロックは、有効性と安全性という面で、まだまだ発展段階の領域です。
その手技が麻酔科医の自己満足でなく、本当に目の前の患者さんのためになるのであれば勉強してみる価値はとても高いです。
研究です。
まずは解剖から。そして先人の経験を調べることからスタートです。
⇓北新・東病院麻酔科の整形外科麻酔のページを参考にさせていただきました。
整形外科麻酔のページ