↑実際に臨床で使用する吸入式の麻酔薬のボトルです。
今日は、全身麻酔って何なの?っていうテーマで語りたいと思います。
最近、各週刊誌がこぞって、麻酔について触れております。
一般市民の誤解のないよう、ゆっくりと語ります。
全身麻酔は、手術室内の手術において、欠かすことのできない医療の技術のひとつです。
古くは今から約200年前、世界で初めて全身麻酔を成功させた人物は、なんと日本人の人なのです。
時は江戸時代・・・華岡青洲という人物です。
本当に、驚きですね。
で、その技術なんですが、手術室では、安全に手術を終えるために大事な要素があります。
これが、全身麻酔の3要素なのです。
では、その3要素とは、
①鎮静
②鎮痛
③筋弛緩(不動化)
です。
手術を安全に終えるために、患者さんが不安をかんじないため、①の鎮静の維持は重要です。だって、手術中に意識があったら、怖いし痛いし逃げ出したくなるでしょう。これでは安全に手術はできません。
②の鎮痛は、当然鎮静とクロスする部分があるのですが、とても大事な要素です。
夜、気持ちよく寝てて(①鎮静)、パコーンて頭叩かれたり、ほっぺバシバシ叩かれたりしたら、やっぱり目も覚めますよね。①鎮静と②鎮痛は、クロスする部分があるのだとは思いますが、鎮静の薬と鎮痛の薬を上手く組み合わせることによって、手術中の安定した全身状態をつくりだすことができるのです。
③の不動化ですが、鎮静と鎮痛と上手くいってる……そうは言っても、人間は反射というものを引き起こすことがあります。
当然、なんらかの刺激でビクって動いてしまうことがあるので、例えば、脳神経外科の手術中に体動を起こすことがあれば、危険ですよね。
手術中には、筋弛緩薬を使用して体動を起こさないような、そんな工夫を行っています。
患者さんが寝ている間にも、このような全身管理を複合して麻酔科医は術中維持を行っているのです。
麻酔の3要素を維持することがすなわち、術中の全身麻酔管理そのものなのです。
麻酔の3要素…ご理解していただけましたでしょうか?^ ^