今日(10月13日)は「麻酔の日」です。
1804(文化元)年10月13日、華岡青州が世界で初めて全身麻酔による乳癌手術を成功させたことに由来し、日本麻酔科学会が制定しました。
華岡青州(はなおか・せいしゅう/1760〜1835)は、江戸時代後期の医師で、華岡流外科の創始者です。
和歌山県那賀郡西野山村(現・那賀町)の華岡道直(医師)の子として生まれ、京都で医学を学び、後に、乳癌手術の実現を志して、麻酔の研究に取り組み「通仙散」(曼陀羅華を主成分とする麻酔薬)を調合し、1804(文化元)年、世界で初めて全身麻酔による乳癌摘出手術に成功しました。
この間、母をなくし、妻をも失明させてしまうという経過において、全身麻酔療法(麻酔下手術)を成し遂げるということは、自身の努力とまわりの理解・協力がなければ叶うものではありません。
200年以上も前に行われていたこの偉業の経緯には、計り知れないものがあります。
そして青洲はその後、藩公の再三の招きも固辞し、在村のまま侍医となり、家塾(春林軒)を開き、1800人をこえる門人を世に送り出しました。
まさに臨床・研究・教育を完遂した驚異の偉人だといえます。
本日、西日本は秋の晴天に恵まれています。
清々しい気持ちになります。
華岡青洲の記事を読みつつ、術前・術後診察に登院しています。