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麻酔科医師の研究日誌

麻酔科医の主戦場。目標にするのはローカルか、グローバルか、という話。

先日からたくさんの先生方の活きたお話を聞く機会を得ています。

おもにキャリアについて。

 

よく話題にのぼるのが、ローカルか、グローバルか。

 

つまり、その地域地域で活躍する医師になるのか、全国区で活躍する医師になるのか、という話です。

 

私たちは麻酔科医という職業は(他の職業でも同じかもしれませんが)非常に稀有で、特殊な分野・環境に身をおいています。

ブランディングに紐付いて、地域医療で活躍する地元の名士のような医師像をイメージするのか、それとも全国の学会やグローバルの場で講演しまわり世界で活躍するような医師をめざすのか、キャリアの先にはいろいろな道がありますが、上記の2つはおそらく相対する場にある将来像に見えます。

 

情報化社会で、ある程度の情報が共有できるようになった今日、ローカルとグローバルの中間で右往左往する生き方は、需要もなくなってくると考えます。

どちらかに大きな将来図を見通すことです。もちろん両方を極める先生というのもたくさんいらっしゃいます。

 

『我々の本分は目の前の患者さんを救うことです。なので、医師としての技術提供、キャリアアップの喜びとしては、ローカルで患者さんに対峙しキチンと結果を出すことが何よりの喜びになるでしょう』

という話もお聞きしました。

 

具体的には、今勤務している病院で診療にあたり、そこへ身を置く患者や将来受診するであろう患者のためになることを、まずは実施していこうという考えです。教育や研究においても同様です。こう書くと当たり前のことではないでしょうか。

 

数々の課題を持ち、一体これは何のためにやっているのだろうと思うことがあります。

それは例えば、自分自身の先の見えない研究の目標などが、おそらくローカルとグローバルの中間で行き場を見失い、結果ばかりを追い求めているときの状態に代表されます。

 

教育で言えば、まず自分が麻酔担当する施設の手術室の看護師さんや、実習に来る医学生、研修医などに対してしっかりとした手ほどき、例えば麻酔科学のレクチャーを実施すること、だと思います。

ローカルの積み重ねが卓越し、気付いたらグローバルでも扱えるネタになっていたというのが理想かもしれません。

 

この考えには絶対はありません。しかし何をするにしても、ローカルかグローバルかというのは意識しておくべきです。

中途半端は、結局は誰かのモノマネだったり、対象が絞れず目標にそぐわない無意味な活動であったり、個性を表出できない可能性もあります。

ただ医療においては言えるのは、やって楽しいのはローカルなのかな、そう思います。

 

グローバルで活躍する人ほどローカルの場は楽しいはずです。原点であるローカルの場がなければグローバルでも活躍できません。

 

主戦場という言葉は言いすぎですが、迷うときは原点に戻って見ようと思います。