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麻酔科医師の研究日誌

『デクスメデトミジン』 集中治療領域における、人工呼吸管理における第3の鎮静剤となり得るか!?

デクスメデトミジン:

教科書的には、
・α2受容体作動薬であり新しいタイプの鎮静剤
・呼吸抑制がなく抗侵害刺激作用に富む
・併用する鎮静剤の使用料を減量できる
・鎮痛作用も併せ持つ
・投与中も容易に覚醒させることが可能であり、さらに代謝速度も速いため、持続投与速度の調節によって鎮静レベルの調節が容易である
・中枢神経への保護作用、腎保護作用の可能性
と、いいこと尽くめのようです。

また欠点としては、
・α2受容体刺激作用に由来する血圧低下、徐脈などの血行動態への影響
・血管平滑筋への直接作用で、一過性の高血圧をきたすことがある
と言われています。

商品名プレセデックス(丸石製薬、ホスピーラジャパン)としてすでに多くの施設で使用可能となっていることと思います。
そしてここで第3の鎮静剤と銘打ったわけですが、当施設でもミダゾラムプロポフォールと並んで使用されることが多くなった事実です。
その背景には、上記利点に加え、昨年の8月より保険適応上の縛りであった「24時間以内の投与」から外れたこと。事実上、人工呼吸管理に関わるタイミングで長期の持続投与が可能になったことでしょう。

そんなことで、最近デクスメデトミジンの勉強をしております。
このブログで医療に関わる内容は久しぶりです。

鎮静剤の臨床投与に当たっては、
①適切な鎮静レベル評価、患者満足
②副作用の発現
③コスト、治療期間
④(24時間を超える鎮静継続の中で)継続したスタッフ間の治療方針、治療見解の統一
などが問題となっています。

当施設でも、どのタイミングで本薬剤を投与、併用していくか、どういう投与法が患者に対してモアベターか。
他の施設とも議論し、またこれから勉強して調べていきたいと思います。

第3の鎮静薬となるのでしょうか。