久しぶりのアップです。
このところ、なかなかパソコンに向かうことができていませんでした。
国際敗血症ガイドラインSSCG(Surviving Sepsis Campaign Guidelines)の最新改訂版、『SSCG 2012』がCritical Care Medicineで発表されました(on line first)。
SSCGは2004にDellinger RP 先生らのグループが、全世界的な敗血症救命率の改善を目標に提唱してきた有名なガイドラインですが、2004⇒2008⇒2012と今回2度目の改定で、敗血症治療のグローバルスタンダードとなりつつあります。
我が国では、日本集中治療医学会が日本版敗血症診療ガイドラインの作成も進めてきました。
今回の主な変更点です。(細かいところまで読めていませんので、各自オリジナルを参照して下さい^_^;)
・敗血症の定義は2001年のSCCM/ESICM/ACCP/ATS/SISの定義とする(SIRS基準は記載されず)。
・治療は乳酸値正常化を目指すことを明記。
・循環作動薬としての昇圧薬はノルアドレナリンが第一選択。ドパミンは推奨しない。
・活性化プロテインCは削除
・血糖値は180mg/dl以下を目標に管理。
・人工呼吸器関連肺炎(VAP)予防の重要性。
・ストレス潰瘍予防にプロトンポンプ阻害薬を使用。
・免疫グロブリン製剤は使用しない。
・栄養療法の推奨
関連の文献・サイトを添付します。
★SSCG 2012 プレビュー(JJAAM.2012;23:329-30)
…半年前の救急集中治療の視点からのプレビューです。
★呼吸器内科医 pulmonary.exblog.jpさんのブログ
…いつも愛読させていただいています呼吸器内科医さんの記事です(ほんとうにいつも仕事がハヤイ)。
個人的な私見です。
ノルアドレナリンが第一選択となりました。われわれ麻酔科にとっては昇圧薬いえばドパミン!といった感性がこれまでに有りました。
しかし、敗血症のウォームショックではやはりノルアドレナリンが適しています。
現場でもノルアドレナリンの使用はスタンダードになりつつあります。
PPIの使用。。。
日本では、ストレス潰瘍予防の適応は文面上はありません。しかし、実際は使われることが多いのでしょう。
免疫グロブリンの使用については否定的になりました。
これが非常に興味のあるところです。
施設の治療指針と、実際の治療により患者さんのアウトカムは決まってきます。
ガイドラインに振り回されることも良いことではありません。
知識としてガイドラインを学習し、自施設の患者さんにとって必要な治療は何か、見極めていく必要があります。
集中治療の領域ではあまりにも患者背景に違いがあり、病態も複雑なことが多く、ひとことで治療方針を決定することができません。自施設データ(後ろ向き調査)と照らし合わせながら必要なのは多くの議論なのだと考えます。
ひさしぶりなため、がっつり重い記事になってしまいました。
書き続けるためには、ソフトで親しみのある話題が適しています。どうしてもかしこまると、筆もなかなか進みませんでした。
これからもこれまでのように、ゆ〜るりと、だいた〜い感じたことを記していきますので、どうかお立ち寄り、いいねをクリックして下さいネ。