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麻酔科医師の研究日誌

研修医(ローテーター)に当直業務を課すということ

2月の一ヶ月間、研修医に当直業務を課すことにしました。

たまたまではありますが研修医が5人同時に集中治療部に配属され(同時に5人は多い)、新しい試みとしてスタッフとともに夜勤(当直)業務にあたります。もちろん無償で給料の保証はありません。

現在の研修医制度が始まるまでは、この下済み時代に上級医師にくらいついてICUでの当直をこなし、当然次の日も朝から麻酔業務をこなしていました。

しかし、今は彼らは将来必ずしもこの職場に就くわけでなく、またローテートが終了すれば、他の科へ進みます。そんななかわざわざ当直業務を課しても負担を与えるだけだという考えが主でした。また研修医の方も人によっては、たまたまローテートしているだけなのに当直までさせられたらたまらない、という気持ちがありました。

医学教育の充実を理念に掲げるわが集中治療部ではその矛盾を打破しようと、研修医の先生方に深くかかわり教育にあたっています。たとえ将来、麻酔科集中治療部を選択しなくても、彼ら一人一人に進路の相談からときには厳しく患者診療の手ほどきなど教えます。

当直業務に関しては、みなのモチベーションのもと、また直明け後をルーチンフリーにする原則で24時間管理を学ばせたいとの概念のもと、スムーズに導入できており、研修医からも評判です。現に真夜中の心マッサージ、緊急ペーシングカテーテル挿入、緊急血液浄化導入、心臓手術患者入室など盛りだくさん。それなりの仕事負荷にはなると思います。
我々スタッフも常に研修医が付いているという身の引き締まる思いと、ルーチン業務をこなす一人のスタッフが増えた感覚で丁寧に指導することができています。

今まで足りなかった厳しさの中に、少しの貴重な経験を与えることができればという考えです。

またこの厳しさの中でも、将来の仕事としてこの部署を選ぶ人間が出てきてくれたらと常に考えています。