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ペインクリニック・麻酔科医師の朝のつぶやき

超音波ガイド下神経ブロックの導入 〜見える安心と確実性を痛み治療に〜

おおいたペインクリニックの開院準備が、ひとつずつ進んでいます。

先日、処置室に新しい超音波(エコー)装置が入り、痛み治療に欠かせない大事な設備がまた整いました。

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当院で導入する「超音波ガイド下神経ブロック」は、エコーで体の内部を確認しながら行う、より安全で精度の高い治療方法です。

神経や血管、筋肉の位置をリアルタイムで見ながら進めることができるため、必要な場所へ確実に薬を届けられるのが大きな特徴です。

 

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この写真は、私がハンズオンセミナーで実際に腹部へエコーを当て、筋肉・神経領域を描出しているときの画像です。

このように、体の浅い部分だけでなく、深部の構造も立体的に把握できるのがエコーの強みで、治療の安全性を高めるうえで欠かせない技術となっています。

 


神経ブロック治療は、単に“痛みを和らげるための注射”ではありません。

痛みの原因となっている神経や周囲の組織の状態をしっかり理解し、どこが問題となっているのかを見極めたうえで、最小限の負担で治療を行うことを目指します。

超音波ガイドを使うことで、針がどの方向に進んでいるのか、血管や重要な組織を避けられているか、薬液がどこに広がっているか――こうした情報をリアルタイムで確認しながら安全に施行できます。

 


対象となる痛みは幅広く、日常的な腰痛や肩こり、膝の痛み、手術後のしびれ、帯状疱疹後の神経痛、三叉神経痛、さらにはがん性疼痛の一部まで対応可能です。

特に薬物療法だけでは十分に改善しない場合や、副作用が心配な方にとって、局所に対する狙いを定めた治療は大きな選択肢になります。

 


私が大切にしたいのは、「痛みは一人で抱え込まなくてよい」ということです。

痛みによって生活が制限されたり、不安が続いたりすることは、身体だけでなく心にも大きな負担となります。

だからこそ、可能な限り安全で確実な治療を提供すること、そして患者さんと一緒に相談しながら進めることを大切にしています。

 


エコー装置の導入は、そのための準備がまた一つ整った、心強い一歩だと感じています。

これからも開院に向けた進捗を少しずつお伝えしていきますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。