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麻酔科医師の研究日誌

ペインクリニック3年を終えて

昨年末のカウントダウンがついこの前のようで、もう1月も半分が過ぎてしまった。

毎年この時期はとても早く過ぎていく印象があります。

 

年度末へ向け、ざわざわと次年度4月からの皆の旅立ちの動きが見えてくる時期です。

私は、ペインクリニックを専属で開始しこの3月で3年が経過することとなります。

さて、この3年で自分は何を成し遂げることができたのだろうか。

 

麻酔科学のなかでこのペインクリニック分野はまだまだ広がる余地のある分野と認識しています。

2010年代前半より、医療はベッド数削減と急性期病院機能の集約化を求め、大学病院を含む地域中核総合病院は手術数の増加を余儀なく課されていきました。麻酔科医師の需要もまさしくこの手術室での全身麻酔担当に重きを置かれていました。同時に集中治療分野に関しても、急性期医療の一端(というか中心)を担い需要増加と麻酔科医師の増員が求められ続けていました。

その流れのなかで、ペインクリニック領域へ人員割り当ては全国的にみてもうまく進んでいなかったのではないかと想像しています。

 

そしてこのコロナ禍。

ちょうど2020年の1月頃からですから、ここで3年になります。

コロナ禍で、不要不急とは何か? 本当に求められている医療とは何か? 流行に紛れる需要は? 臨床医療は社会医学と混雑し現場の状況をより混沌としたものと変え、医療だけでは解決できないものを多々生じてきました。

 

『患者本位の最良の医療』

よく、病院の理念などに掲げられる言葉です。

ペインクリニックを担当することで、より患者のニーズに沿った医療を提供する立場をもう一度自分の手で実行してみたかったというのがありました。

コロナ禍で医療界(臨床医療や医学部運営、専門学術会議、医学教育など)が混乱するのはおおよそ予想がついていました。この間に、これまで自分が担当していなかったペインクリニックの基本技術をゆっくり学ぶ機会にしようと考えていました。

ペイン外来をやっていると、患者の生の声、喜び、悲痛、苦しみ、感謝の声をじかに聞くことができます。

キャリアとして麻酔、集中治療、救急医療、基礎研究、医学教育、運営管理と経験し、最後にペインクリニック・緩和医療を担当できることは、麻酔科医師としての冥利に尽きます。

この3年、ペイン以外の手術室や集中治療へのシフトもあったため、どちらかといえば緩くペインクリニックに携わってきた身ですが、これからはさらに専門性を出し、かつ麻酔科学に貢献できるよう心がけていきたいというのが、新年~次年度からのスタートラインでの意気込みです。当然、大学病院医師として、他分野のシフトの義務もあるわけですからその力を抜くわけではありません。

多くの後輩たちが新たな路を探求しています。その良きアドバイザーになれるよう、自分の路を言葉で示しつつ、キャリアについても的確に語り合える輪を作ってともに楽しく歩んでいきたいと考えています。