研修医は何を基準に就職先を決めればいいのか。
よくよく悩んでいる研修医たちがいます。
私たちもそれに答えようとしますが、
彼ら彼女らにとっての意とする回答になっていないのかもしれません。
『就職先』と、『自分の理想とする医師像』という観点から考えてみたいと思います。
【多様化する時代です】
多様化社会と呼ばれる社会になりました。
昭和期〜バブル期〜バブル後〜失われた20年と時代は変遷。
大企業に勤めれば安泰の時期も、もうとっくの昔に終わり。
生産個人の寿命が企業の寿命を当然のように超えている。何の保証もない時代です。
ならば、企業を利用して個人を伸ばさなければならない。医師もおんなじ。
麻酔科医ならば、医局なり市中病院なり、そこに務める上司・周りのスタッフなり、共に歩んで個人の腕を磨かなければならない。
専門医等の資格取得が最も分かりやすいと思います。
私事ですが、今の職場では患者さんの管理や部署の運営を通じて社会に貢献しつつ、自分としては着実に専門医資格・学位などの資格取得、さらには人的資源のコネクションを構築させていただいております。
絶対のない時代です。
【研修医は何を目標とするか】
ならば、組織に依存するな!と言っているわけでもありません。
自分を強める組織をさがすのが良いのか?
それもしっくりきません。
医師になって1年目、2年目は何事も勉強です。
なので見るもの全てを吸収し、1つでも多くの事を経験して自分の糧にしていくといいと思います。
その中で、自分の選んだ診療科の中での例えば『専門医資格』などを目標にしたらどうでしょうか。
逆を言えばその辺の道筋がしっかりと立っている組織を選ぶと良いです。
以前はこれが当たり前でした。
卒業すれば大学病院に務め、経験を積んでエスカレーター方式で専門医、関連病院、研究、学位取得とやってきました。その後は部長職であったり、研究職であった英り、開業であったり。
しかし多様化によって、それぞれの目標が非常にわかりにくくなっています。
自分もいつの間にか研修医の先生たちをどっぷり教える立場になりましたが、このことに気付いて、今は若い先生たちに対し道標をしっかりと示してあげるように務めています。
【どこに行っても最後は自分です】
どこに行っても最後は自分です。実はこのことは今も昔も同じです。
そう思います。
どこかで人のせいにしたり、組織のせいにしたり、こういう人は最後は患者さんのせいにしてしまいかねません。
自分で決めた道は自分で切り抜くしかありません。
大きい組織というのはいろいろな人が存在しますが、自分に気が合う人と出会う確率が高いです。そのぶん気の合わない人とも出会う確率も高くなります。
ここでも切り抜くのは自分自身なのです。
わかりにくい表現になってしまいましたが、自分の力を信じて、自分の目標を早いうちからしっかり持つことです。
そうすれば、自分の進む道も自然と見えてくるのではないでしょうか。