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麻酔科医師の研究日誌

知的生産ワークアウト/奥野宣之/ダイヤモンド社



知的生産力とは、

情報を仕入れ、整理し、考えるところから、書いたり、話したりといった表現力にいたるまでのパフォーマンス

のことです。

普通は、文章を書いたり、企画を考えたりといった、いわゆる「クリエイティブな仕事」をするために必要な力だと捉えられていることが多いと思います。

仕事力を高める上で、資格勉強や留学、転職よりももっと安全かつ確実で、見返りの大きい能力の一つであると考えられています。







本書は知的生産力を高める上で重要な3つの視点から「ワークアウト」(=トレーニング)していく方法が述べられています。


それは、

①発想からアウトプットをつくる
②生きた時間をつくる
③想像的な環境をつくる

の3つカテゴリーです。


●発想からアウトプットをつくる
P.32 とても読みにくいいわゆるお堅い本でも、毎日携帯しとにかくカバンに入れておくことで少しでも読み進むことができる。コレで読める本を広げ幅広い情報を得ることができる。
P.45 シグマベストの参考書。高校生の政治・経済のおさらいで知識の欠落を埋める。
P.63 産業博物館を見学する。
P.74 書店の本棚は社会の縮図
P.95 消せる紙、ホワイトボードを目に止まるところに置く。
P.99 携帯ホワイトボードを持ち歩く。
P.104 写経。新聞一面の600字コラムを書き写し、アウトプットの練習をする。
P.126 ワードではなくテキストエディタを利用する。

●生きた時間をつくる
P.148 「死ぬまで年表」人生の時間は思ったより限られていて、なんでもできるわけではない。
P.152 今年の目標をリストアップする。
P.160 日課は負担にならない程度に留めておく。
P.166 進捗管理シートを作り(エクセル)、プロジェクトを小分けにしてすすめる。
P.173 iGoogleトップで締め切りカウントダウンをいつも目に止まるようにする。
P.177 記入式タイムカード。15分おきにやったことを記入。「時間資源」意識する。
P.178 単純作業は必ず時間を区切ってやる。
P.183 「没頭状態」に入る方法を考える。「集中儀式」でPC作業に集中できるマニュアルをつくる。

●想像的な環境をつくる
P.239 家の机にコルクボードの壁をつくる。
P.252 風呂場で書き物をする。
P.256 日記のフォーマット「四点日記」でライフログを記録する。
P.261 パソコン作業時もノートやコピー用紙を広げておけるスペースを確保する。デジタルとアナログを切り替えながら作業することで、アウトプットの行き詰まりを防ぐ。
P.264 「作業に使える喫茶店」をリストアップ。場所、営業時間、電源。
P.268 「書店併設のカフェ」明るい、机とイスが作業向き、そこそこ静か、思いたったら書籍をすぐ購入できる。
P.270 休日の知的生産は大学の図書館を利用する。
P.273 書斎は作業場である。60cm×180cmの会議ようテーブルを使う。
P.280 ストレスを感じたらまずは読まない。夜、遠くの星を眺める。

とても内容の濃い書籍で是非手にとってみることをおすすめします。


この3点の中でも『③創造的な環境をつくる』から、簡単に始めれるのではないでしょうか。なるほどと思ったこと、例えば作業に使える場所でカフェの確保の仕方なんかは参考になりました。

知的生産力を高めるためにはアウトプット力そのものを鍛えることが最も重要であり最も難しいです。

なので、それを補うための環境整備や時間の確保の仕方が重要となるのでしょう。


わたしはこのブログで日々アウトプットを鍛えております。

医師という立場で、本来なら日々の医療現場で知り得たこと、医学学術的な経験・成果を世に広めていくことがその使命であります。

しかし医療の現場は学術的にはとても複雑で、アウトプットのための道筋は皆無であり研究発表も一筋縄では行きません。


どの分野でも知的生産のためのインプット⇒熟考・考察⇒アウトプットの原則は変わらないようです。

この道筋を解明すべく知的生産力を鍛え、医療現場で知り得たこと成し得たことを世に発表できる準備をしています。

また医学臨床に限らず『医学を長く楽しく』続けるために必要な仕事術や知的生産力を養うべくここでアウトプットし、神経を鋭敏にして日々を生活しています。