本日の勤務は、外部連携病院での手術麻酔(私は麻酔科医)でした。
いわゆる出張麻酔。派遣麻酔とも言います。
臨床業務をやっていく上で、大学病院のように患者も物も人も、時に予算(お金)も集まるところでは、システムさえうまく回せていれば人員調整に難渋することがあっても全く足りなくなるということはありません。
一方地方の病院などでは、人員不足・・・。
麻酔科はこの格差が非常に大きい。
なぜか?
麻酔科医の活躍する場は主に手術室の、手術そのものに立ち会うことを業とするからです。
朝から晩まで、月曜から金曜まで手術する病院というのは、ある程度の大病院で総合病院に限られます。
欧米には少ないですが、本国は手術を行う個人開業クリニック・医院がとても多い。
つまり週に1〜2日しか手術をしないような施設がたくさんあるのです。
そのような個人病院で麻酔科医を専属に雇うのは難しく、だから、その日のその手術のときだけ、麻酔科医の応援を要請するのです。
システムから言えば非常に利にかなっています。
病院のスタッフや患者さんから見れば、麻酔科の先生が来てくれていると思われるでしょう。
麻酔だけして給料を貰って帰っていく、こういうふうに見る人もいるかも知れません。
私たちは様々なストレスの中で、いつもより慎重になります。
実際は慣れない場所に、慣れない物品で、パフォーマンスを発揮するのは大変なことです。患者安全が第一かつ全てです。
麻酔は術前・術中・術後をトータルで管理して初めて、周術期を達成できるとされます。このシステムの弱点は、術前と術後の評価が極めて浅くなるということです。
そのような中で、麻酔依頼はどんどん来ます。
外科医も手術がしたいのです。といいますか、患者さんがいるのです。
海外のような地域ごとの周術期センター化は、日本では無理でしょう。
しかし大学病院に集中治療室を持ち、全県レベルでの最重篤患者を受け持つことができる私達麻酔科は、周術期と全身管理のプロフェショナルです。巨大なバックとふところは強みです。
需要供給のバランス、患者の安全を確保しながら、我々は走り続けます。