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麻酔科医師の研究日誌

医員が求める価値の3つとは

タップス佐藤さんの書籍を読みました。

お金に関する新しいルール。

[ お金2.0 ] 

 

お金を中心に、今現在の経済の仕組みについて語っています。

 

しかし私が注目したのは、

人間の価値観について。

 

人間の求める価値には、主に3つあるといいます。

1 資本経済に続く欲求・・・働いて、お金を稼ぎたいというもの

2 価値感を共有する内面的なもの・・・感情、思想、愛情、好感、共感など

3 社会的な価値・・・個人ではなく社会全体の持続性を高めるような慈善活動

 

これまでの価値観での欲求は、

1に表される、有用性に基づく価値観です。経済、経営、金融、会計で価値という言葉が出たら、いかに人のためになり、「リターン」を得れるか。

現実世界で利用できるものや儲かるものを探求し続ける、強いては換金できる価値です。この観念に基づいて、資本社会も発展してきました。

 

しかし、

 

このミレニアム世代、求めている価値が少しずれてきているのです。

良いとか悪いとかではありません。

 

それは2の内面的な価値観です。

資本主義で、換金できるような価値観は当然のものとなり、今普通に勤務を続けていれば、少なくとも平均点(普段の生活でいうところの、ものに困らない、便利なものに溢れた)は取れるような環境が整ってきました。

スマホを見ればなんでも情報を得れます。やるかやらないかは別として、お手本はいくらでも手に入ります。

 

価値観を共有できるとはつまり、共感できる趣味や目標をもちそこにライフの一部を組み込んで、日々を充実させていく生き方です。

 

少し抽象的ですが、簡単に言えば、稼ぐばかりが目標ではなく、共感を得れる行為、SNSに代表されるような、概念的なものです。これは人それぞれに違います。

 

仕事をして、プライベートが充実して、さらにその充実したものを共感できるどこかのサークルに所属することで、非常にやりがいを得ていくという価値観です。

 

これは目に見えないものですので、評価は難しい。

決してお金が全てではないとも言えます。

 

経済は行き詰まり、ポストも上づまりで、新たな出世は望めません。いや、望んでいないのです。

ましてや、大きく経済が発展していく見通しはありません。

と同時に、ものは溢れ、新たな経済発展は見込めず、人々の内面的なところにやりがいが生じていくのは当然のことと考えます。

 

そして非常に難しいことですが、個々の持つ価値をアウトプットし提供することこそ、強く堅固な組織を作り上げる方法なのだと思います。

 

おそらく1つの閉ざされた環境では無理です。

全員がスマートフォンを持ち、多方面に繋がっていく「ハイパーコネクティビティ」こそ、医員が価値を実感できる環境となるのです。

 

前述のとおり、1つの組織では無理です。

我々の環境で言うなら、ゆるい学会活動みたいなものでしょうか。

趣味の世界なら、スポーツクラブなどでしょう。そこへの参画を認め尊重する力こそ、個々のモチベーションに繋がっていくのだと考えます。

 

3の社会的価値とは、慈善活動やNPOなどの社会全体の持続性を高めるような価値です。砂漠に木を植えたり、発展途上国に学校を作ったり、2の共感と近いものはありますが、決して簡単ではありません。

個人の犠牲も伴います。

合わせてコストのかかる問題が多く、個人個人ができるレベルを超えた価値観で、非常に特殊な領域です。

なかなか一個人や一組織レベルのみで満足を得るものではありません。

 

佐藤氏は、今の世代は、

人生の意義を持つことが「価値」になった世代と、記しています。

 

統合するに、2の側面を持たなければ強い満足感は得られないと言うことです。

これは往々にして感じることです。

 

決してお金を儲ける活動にはなりません。

稼ぎを目標とせず、お金を度外視して楽しむことに、ゆくゆくはお金が集まってくると言うのです。

このパラダイムは、楽しそうなところにお金を払って仕事をする、と言うもの。

そういうところにお金が集まってくるのです。

 

 

ライフワークバランスが叫ばれていますが、応召の義務を持つ私たちの環境は簡単ではありません。

しかしこの医療業界も単純作業はAIなどのロボット産業が食い込んでくことでしょう。

 

普段の生活で、スマートフォンを覗き込みながら他人の人生ばかりに気を取られているような気もします。実際何かを求めているのです。

 

本当に自分が大切と思うものに時間を費やし、そこに価値観を持つことで健康的な日々を送ることができます。

 

また、こうあるべきものというべき論に注意は必要です。習わしを大切にするのももちろんのことです。

 

時間、もの、人とのコミュニケーション、お金、などのリソースを題材にした概念はこの10〜15年ほどで大きく変わっています。

そして、数々の人が新たな世界を切り開いているように思います。

今まさにそれを肌で感じています。

 

そのようなことを考えながら、この一冊を読了しました。

テクノロジーの進化に基づいた非常にスマートな内容の書籍でした。一読をおすすめします。

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

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