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麻酔科医師の研究日誌

ICUってどんな場所?

ICUってどんな場所?
(▲朝日新聞2012/11/24朝刊、日本集中治療医学会HPより)


普段あまりお目にかからないICU実態

各診療科の先生方から見ても、とくに研修医の先生などからは、もしかしたらとても敷居のたかい病室になっているのではないかと思います。

それは治療が複雑(そう)であったり、難しい薬がたくさん投与されていたり、一瞬足りとも目が離せない状態であったり。

そしてその難解さが、各診療科主治医のもとから、そのまま患者さんの御家族へ伝えられているように思えます。


確かにICUは難しい。
ICUは麻酔科と同部署で運営されていることがおおく、私もICUを研修する前の麻酔科入局したての頃は、何とも難しそうな部署だなと思っていました・・・(同部署なのに)。


一般市民、つまりは患者さん・患者さん家族からは、人工呼吸器などの機械やピカピカ照り輝くモニター類、夜どおし鳴り響くアラームの音など、他の病棟とは異なった異質な空間と雰囲気に、患者さんの治療の状態をさらに難しく感じ取るのではいでしょうか。

患者さん本人は意識がない場合がほとんどです。
もう助からないのではないか、これからどうなるのだろうか、というような不安にもかられることでしょう。



下に紹介する記事は、朝日新聞2012/11/24朝刊、日本集中治療医学会HPからの紹介です。


ICUってどんな場所?

http://www.jsicm.org/asahi121127.html


集中治療室(ICU)は患者を治すところというのが前提です。もちろん、ときに助からないような絶望的な場面に遭遇することもあります。

患者さんの状態は一概には議論できませんし、ICUにいるような状態ですから、常に急変のリスクも伴います。

しかしそこでは、24時間体制で常駐する医師・看護師が、極めて手厚い医療を施しています。安心して下さい。

患者さんは意識がないことが多く、状態の説明をするのは常にキーパソンとなる患者さんに親しい御家族です。御家族に方には、不安に思うことがあったら、すぐに常駐スタッフに現状態を尋ねて頂きたいです。

そして常駐するスタッフは、自らの治療に自信と責任をもって、わかることはしっかりと、わからないことはわからないと、十分すぎるくらいに御家族に説明する。
たとえわからないことがあっても、可能な限りわからないものを少なくしていく。一生懸命調べたり、上司に相談したり、他の診療科のスタッフに相談したり。
そしてまた御家族に説明していく。患者さんの今の重篤な状態を家族として受け入れることができるかどうか、それが難しいと思われているICU治療の本質です。

私はそう習ってこれまでやって来ました。

常にコミュニケーションをとってよりよい関係を作り、納得の医療を提供していくことが望ましいです。

集中治療医は今もこの時間も頑張っています。

この部署と職業を広く知ってもらいたいと、常日頃より思っています。