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麻酔科医師の研究日誌

短期の初期研修医に教えることは的を絞って

研修医制度は、医師になって始めの2年間(初期研修医)、いろいろな臨床の診療科をローテーションして研修していくシステムです。

厚生労働省より国家試験合格したての医師に義務づけられました。



私たちの麻酔科も必修診療科として初年度にローテシステムが組み込まれています。

一般的には救急担当診療科として組み込まれるようですが、細かな割り振りは病院によって異なり独自にカリキュラムを作成するようです。



そんななかで各診療科では、なんとか自科に興味を持ってもらおうといろいろな企画を考えます。

飲み会だったり、レクチャーだったり、一緒に当直(時間外)業務を担当したり。




そしてただ回って業務を覚えてもらうだけでなく、しっかり学習していってもらいたい。そう考えます。


私たちもオーベン制をしいて、個別反省会やミニレクチャーなどの勉強会を計画します。


そしてある決めたコマ時間を使って講師を決めて、ズバリ、『麻酔科研修勉強会』なのですが、


果たして、本当にこの1.5ヶ月の短い期間で、ただ闇雲に麻酔知識を詰め込むことに意味があるのだろうかと(悩)。

どうしても、吸入麻酔薬や全身麻酔方法、アルチバ、スープレンなど、最新の麻酔技術の話の他、麻酔前投薬、ステロイドカバー、エコーガイド下末梢神経ブロックなど、麻酔知識のオンパレードへと話が傾いてしまいます。



・・・。


スタッフ数名で考えました。




やはり必修1年目の1.5ヶ月は、

『どこの科に言っても役立つ麻酔科で習得できる基礎知識』

に、的を絞るのがいいのではないかと。



具体的には、

①輸液管理・・・維持輸液や急速輸液、輸血の種類
②鎮静管理・・・セデーション、鎮静とは
③循環管理・・・急変時の対応、昇圧剤の種類
④呼吸管理・・・酸素療法、人工呼吸器の使い方、気管挿管トレーニング
カテーテル管理・・・点滴のとり方、CVカテ管理



などが思いつくところです。

研修医たちは見聞きするもの全てが新鮮で、なんでも吸収していきます。
記憶にも残ります。


ならば後で見返した時、あのとき勉強したことは本当にためになっているなと思わせたいのです。




必修期間の後には選択期間という有意義な研修期間(2年目)も残されています。


本当に麻酔科をどっぷりしっかりやりたい人は、研修期間的にもタイミング的にも本人自身のモチベーションも含め、この時期がベストでしょう。

医師なりたての今は麻酔科だからこその素晴らしき研修を、目一杯吸収していただけたらと思います。


一部は研修医たちと直接の対話から感じたことです。


考え、試し、反省して、良い環境を作ろうと、また考えています。