麻酔科医『朝活ドクター』 の 研究日誌

~ ドクターズライフハック研究日誌 ~

医師としてのアウトプット力を鍛える方法

医療に限らずすべての職種に対していえることですが、仕事というのはインプット→考える→アウトプットの繰り返しです。

今、自分が置かれた立場になぞらえて考えたら、

①集中治療室のベッドサイドでの医療
②学生、研修医、後輩医師の指導
③学術的な臨床研究、世界の医療の動き最新治療の探索

という3つのアウトプットの場がありました。


医療におけるアウトプットとは

医療におけるアウトプットとは、すなわち日々の診療そのものであると思ってください。我々は日々経験する、患者の訴えを知識と経験に照らし合わせて診療し患者を良くすることで結果を出します。

どれだけ患者さんのそばにいれるか、どれだけ一生懸命に親身になって関わっていけるかというあの研修医時代の思いを続けなければなりません。

医師には膨大なインプットが、まずは、要求されました。そして個人では解決できないほどの思考力も必要です。そして経験に基づいたセンスと得た知識による融合で、実は単なる手段である『医療』を施し、困っている患者さんを救っているのです。

なので、何も、薬を投与するだけが医療ではないのです。

患者さんの笑顔を見れてこそのアウトプットだと言えるでしょう。


日本人は『Intensive Care Unit』を『集中治療室』と訳しました。しかし『Care』は『治療(Cure)』ではありません。まさしく『ケア』です。『治療(Cure)』よりももっと広い概念で、集中してケアできることが、ICU診療でのアウトプットを高める方法だと考えます。


医学教育におけるアウトプットを考える

教育におけるアウトプットとはなんでしょうか。

教育という行為そのものがインプットにとどまる存在となる気がします。

教育を受ける側が何かをクリエイトしようと動き出して、そこで初めてアウトプットが生まれるからです。つまり、教育する側から言えば、常にアウトプット、受ける側から見れば常にインプットという状態が続いているのですね。

よく、教育は結果がわかりにくい、結果が残らない分野だといわれます。とくに医学教育においてもそれは常々感じます。

しかし、それは種まきであると思って我慢して途切れないように続けていきます。
そして教育する環境そのものが存在し続ける限り、心配しなくてもインプット→考える→アウトプットサイクルの環境は存続するのです。

さて、ではここでアウトプットを鍛えるには、どうしたらよいのでしょうか。
これはもうシステムを整えるしかありません。我々が推進している屋根瓦方式の教育方法というものがあります。

学生は研修医に習い、研修医は指導担当医師に習う。その指導医師もさらなる上級医師に助言を受けるという、これまでの医局制度では自然に行われていたことです。

しかし、ここ最近の研修医スーパーローテ制度で少し不安定になってきています。

常に意識しながら、このバランスを確保する努力をしなければならないと考えます。

また、医学教育を行う上で、それを語る場というのも重要で、先輩医師になればなるほど新しいものに挑戦して、それらを議論できる分野を探求し続けなければならないのです。


われわれが学術発表や執筆活動を行うということ(学者としての一面)

最後は学術的なものです。言わば、学会発表や論文発表についてです。

研修医のころから、『演題を出せ』とか、『論文を書け』とか、口うるさく言われてきました。

その頃はそれが何を意味するのか全く分かっていませんでした。言う方もどれだけわかっていたかは正直わかりません。
なぜそれらを行わなければならないか、そこを教えれる人がいなかったからだと思います。好きか嫌いかだけで、学会発表のセンスが磨かれていた過去でした。

私は5年目の時、一人麻酔科部長として地方の総合病院に勤務したことがあります。初めて一人になるということで、非常に考えることの多い1年半でした。

そこでは、何をするのも自己の責任と自分の報酬という物差しで事が進みました。

そこで、誰にも言われず、ある患者の症例報告を行おうとしたとき、なぜ大事な時間を使ってこのようなことをしなければならないのかを一人考えました。

当然、苦労して苦労して診療にあたり、無事に患者さんの笑顔を見ることができた症例だったのですが、そこで出た答えが、
『こんな未熟な私に、診療を担当させてくれて、経験させてくれてありがとう』
という、患者さんや周りのスタッフに対する感謝の気持ちでした。

症例報告とはそれをさらに全国のみんなに共有するということです。英語で書けば世界発信です。どうですか、わかっていただけたでしょうか。患者さんへの恩返しへとつながるのです。

インプットありきでのアウトプットなので、報告をするということは多大な知識のインプットを必要とします。つまりアウトプットするためにはやはり、努力なしでは不可能です。


さいごに

私は常にインプット→考える→アウトプットサイクルを考えるように心がけています。このサイクルの過程では知識豊かさを手にいれることができます。

お金と同じですよね。貯金ばかりしてもつまらない。借金は論外かも知れません。(収入)→(考える)→(支出)とサイクルを作った場合、その過程で手に入れるものが本当の豊かさだと言われます(その見返りが税金なのです)。つまりなぜアウトトップが必要か、という根本的な疑問を理解するところからだと思います。

このブログも私としては強靭なアウトプットツールです。

これまで述べてきたことに並行して、いろいろな角度からアウトプットをできたら思います。そして、
医師としての豊かさを求めるために生涯学習を行うにはどうしたらいいか
というテーマのもとに、このブログを続けていきたいと思います。