朝活ドクター.com

麻酔科医師の研究日誌

東日本大震災

3月10日でブログが止まっていました。

ご存知のとおり3月11日に未曽有の大地震津波・大震災の発生。

亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。

また、出来る限りの2次災害からの回避を切に願います。

遠く離れた九州からでは、現地の心情は計り知れないものであるとも思います。只々、皆様方を心から応援するしかありません。

自然の力は恐ろしいことを改めて感じました。そしてここ数日思いふけることが多かったようにあります。報道も見離せません。自分にできることは何かと、ずっと考えていました。


マスコミからの情報の内容は、現在は原発事故の方へと割合が移っています。原発も大きな問題です。
また、避難所からの子供たちの逞しくも微笑ましい笑顔、海外からの義援隊など、希望の話題もちらほら流されるようにもなりました。

こういう時こそ、強い日本人を、人間の収束力を、人間の温かみを認識します。




ブログは誰もがアクセスできる情報源です。責任持って綴ります。



医療の立場から考えました。地震が起きた時、私は普段どおりの診療中でした。当然現地とは遠く離れており、地震を感じるわけではありません。しかしテレビの緊急速報からは恐ろしい光景と数字が。今、自分が目の前でひとりの患者に対して、24時間体制で、グループスタッフ交代制で、数日〜数週間かけて治療しているという現実と、TVではあっという間に人々を飲み込む自然。このギャップに胸が痛くなりました。同じ生命です。そして生命は儚く尊いものだと、近くにいた後輩と語りました。

私の施設からも数名DMAT隊として現地へ飛び立ちましたが、数日して戻ってきました。求められるのは超急性期医療ではないよう。何故ならば、医療を行う前にインフラの整備が出来ていない。つまり患者が患者としてやってこない。トリアージでいうブラックタグかグリーンタグ。津波とは如何なるものぞと、またしてもここで恐ろしさを教えられました。

必要なものは水、燃料、暖、食料、空間。つまり衣食住でしょうか。

着の身着のまま飛び出してきて、慢性疾患患者さんであれば薬が手に入らず苦しんでいる可能性もあります。また、感染症エコノミークラス症候群などこれからが病気・医療需要の発生する時期かもしれません。情報は錯綜し断片的であります。またその情報に頼らざるを得ない現実もあります。見極めも必要です。
一部では学会のような団体でメーリングリストを持ち、医療施設間の情報が共有されて連絡を取り合い協力しあう、すばらしいです。一番確実なのは義援金でしょう。個人としても出来る限りの協力を行います。

端くれ医療人として、心も痛むが、今実際に出来ることをつくづく考えます。現地には行けそうにもありません。

行方不明者もまだ大多数と聞きます。一刻も早い復興を望むと同時に、ひとりでも多くの大切な人が再開できることを切望します。