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麻酔科医師の研究日誌

集中治療室は満床状態。患者家族へのムンテラが重要であると、最近ひしひし感じます。

集中治療室は満床状態が続きます。

緊急で患者が入室して、どんなに重症で治療が難渋したとして、やはり家族へのムンテラが重要であると最近ひしひしと感じています。このことは先輩の医師から2〜3年前より常に言われていました。

救急外来経由の患者の家族は、初日は舞い上がって、どこか藁(わら)にでもすがりたい気持ちでいます。一般病棟から来られた患者とその家族は、それまでは主治医という絶対的な存在が何よりの頼りですが、病棟を離れた途端に主治医の治療が我々集中治療医の管理となる。そこで我々の家族へのムンテラが重要となるのです。

closed styleでICU患者管理を運営していると、治療への責任をかなりの部分背負うことになります。

患者家族への説明は主治医に任せがちとなったりするのですが、積極的に強く自ら説明していくようにしています。一番弱い立場となる患者に誠意をもって尽くすことができます。ICUにいてそれができていればまず周りのスタッフの信頼を得ます。家族にもすがられますが、今後できること、現在行っていること、できないこと、を細かく説明します。

ICUの環境は非常に特殊で、患者本人は気管挿管されていて話ができず意思の確認ができません。また状態が悪化したとしてその後に頼る部署もありません。家族の意思統一と、協力なしには治療は続行できません。厳しい環境ではありますが、患者を守り、患者家族を守ることで、最終的には自分を含めた治療スタッフ全員を守ることになる、そう感じています。